2026/02/27
成長が早く、農薬を使わずに育つ竹は、自然と共存できる素材として注目されています。燃料や肥料、さらには暮らしの道具や製品にも応用できることから、地域の中で活用の動きが少しずつ広がっています。
この記事では、竹を資源としてどう活かせるのか、地域や環境への関わり方を踏まえながら、その取り組みを紹介していきます。
竹が資源として注目される背景
竹は日本各地に自生しており、昔から身近な素材として使われてきました。農具や住まいの道具、包装や燃料など、生活のあらゆる場面で役立っていた時代もあります。ただ、現在ではその役割が減り、管理されないまま増え続ける竹林が課題となっています。
かつての生活と竹の関わり
かごやざる、箒、建材や燃料として、竹はかつて多くの家庭で当たり前のように使われていました。竹は成長が早く、軽くて加工しやすいため、日常の道具として重宝されていたのです。暮らしの中に自然と溶け込んでいた時代には、伐採や管理も地域の一部として行われていました。
近年の竹林問題と放置の影響
使われなくなった竹林は、手入れがされないまま広がることが多くなっています。竹は成長が早いため、一度管理が追いつかなくなると周囲の植物を覆い、里山の生態系にも影響を与えるようになります。さらに、地滑りや土壌の不安定化といった問題につながることもあります。
資源として見直される動き
こうした背景から、竹を改めて資源として活かそうという動きが各地で進められています。炭や酢、塩、建築素材としての利用に加え、環境への配慮や循環型のものづくりを目指す中で、竹の価値が見直されているのです。地域にある素材を生かすという視点からも、竹の活用は身近な取り組みとして注目されています。竹を活かした地域の取り組み
竹林の管理や再利用に関心を持つ地域では、地元の人々や行政が協力しながら、竹を活かす取り組みが進められています。放置されがちな竹を、地域資源として見直す動きは、さまざまなかたちで広がりを見せています。
公共事業や景観整備への活用
公園の整備や遊歩道の舗装、土留めなど、公共事業の中で竹材が活用されることがあります。地元の素材を使うことで、景観と調和が取れやすく、輸送の負担も抑えられます。また、竹のしなやかさや強度を生かして、手すりやベンチに加工される例も見られます。
学校・地域団体との連携事例
学校では、竹を使った工作や教材づくりが行われたり、地域団体との協働で竹林整備に取り組むこともあります。実際に竹を切ったり加工したりする体験を通じて、子どもたちが自然や地域に関心を持つきっかけにもなっています。こうした活動が世代を越えてつながっていくことは、竹林の維持にもつながります。
地域雇用や教育との関係
竹を活かす取り組みは、地域内での雇用づくりにもつながる可能性があります。伐採や加工、製品づくりといった作業は、地元の技術や人手を活かす場にもなり得ます。また、竹に関する知識や技術を次の世代に伝えることも、地域文化を守るうえで大切な要素になっています。竹炭や竹酢としての利活用
竹は、炭や液体として加工されることで、暮らしの中でさまざまな形で役立っています。燃やして終わりではなく、素材としての性質を活かした利用が広がっています。
土壌改良や消臭材としての活用
竹炭は、内部に小さな穴が無数にある構造を持っており、においや湿気を吸着する性質があります。家庭内では、靴箱や冷蔵庫などに置かれることが多く、空間のにおいを和らげる目的で使われています。また、農地に混ぜて使うことで、土の水はけや空気の通りを整えやすくなるとされ、農業の現場でも活用が進められています。
スキンケアや入浴料への展開
竹酢液は、竹を焼く際に出る煙を冷やして液体にしたものです。昔から皮膚の手当や入浴用として使われてきた歴史があり、現在でも自然素材を好む方に取り入れられることがあります。入浴時に湯に加えたり、薄めて肌に使ったりと、取り入れ方も比較的シンプルです。
農業・畜産分野への応用
農作物を育てる土に竹炭を混ぜたり、家畜の飼料に微量の竹炭を加えたりする使い方も見られます。畜舎の衛生を保つために、敷き材に混ぜて使う場合もあります。こうした用途では、においの軽減や土壌の環境改善が目的とされています。自然由来で扱いやすいため、環境負荷を抑えたい現場でも少しずつ広がりつつあります。竹を活かす上での課題と向き合い方
竹はさまざまな用途に活かせる素材ですが、安定して使い続けていくには課題もあります。資源としての魅力を引き出すためには、それぞれの段階での工夫が欠かせません。
伐採・管理にかかる手間
急速に成長する竹は、管理を怠るとすぐに林が広がってしまいます。整備を続けるには、伐採や間引きといった作業を継続して行う必要があります。ただ、人手や時間がかかるため、個人や一団体だけで取り組むには限界があり、地域ぐるみの連携が重要です。
搬出・加工の難しさ
竹林は傾斜地にあることも多く、切り出した竹を運ぶのは意外と重労働です。軽い素材であっても、長さや量があると運搬や保管に工夫が求められます。さらに、乾燥や加工といった工程にも手間がかかり、設備や技術をどう確保するかも課題のひとつとなっています。
持続的な循環利用に向けて
一時的な活用では、竹林の整備は進みにくいのが現実です。伐採した竹を製品やエネルギーとして使い、循環的に回していく仕組みが必要とされています。また、製品づくりにとどまらず、地域の教育や暮らしと結びつけていくことが、竹を活かす取り組みを長く続けていく上で大切になってきます。唐仁原商店による竹資源の活用
竹という身近な素材に、もう一度しっかりと向き合いたい。そんな思いから、竹を単なる材料としてだけでなく、地域の資源として活かす取り組みを続けてきました。
エコ炭くんによる炭化の工夫
炭づくりには、自社で開発した炭化装置「エコ炭くん」を使用しています。この装置は、竹の持つ燃焼力を活かしながら炭化を進める仕組みで、外部の燃料に大きく頼ることなく稼働できます。さらに、温度管理も自動化されているため、安定した品質で竹炭や竹酢液を焼き上げることが可能です。
地域竹林の再生と連携の取り組み
放置された竹林を有効に活用するため、地元の竹を積極的に活かしています。伐採した竹は、炭や製品として余すことなく使うよう心がけています。地域の方々と連携しながら、竹林の維持や整備にも協力し、小さな循環が生まれるようなかたちを目指してきました。
製品づくりに込めた想い
竹炭や竹酢、竹塩といった製品は、すべてこの土地の竹を使い、一つひとつ丁寧に仕上げています。効率だけを追わず、自然の力を大切にしながら、日々の暮らしに役立つかたちで届けたいと考えています。竹を使うことが、地域や環境を守る一歩になればという思いも、ものづくりの根底にあります。未来に向けた竹の可能性
竹は、自然の中で育ちやすく、再生力にも優れた素材です。環境への負担を抑えながら活用できる点から、今あらためてその価値が見直されています。
環境配慮型素材としての価値
急速に成長する竹は、植林を繰り返す必要がなく、比較的短い期間で収穫できるという特性があります。農薬や化学肥料を使わずに管理しやすく、土壌や水への負担も抑えられるため、持続的に活かせる素材として注目されています。こうした背景から、製品づくりや包装などにも竹を取り入れる動きが少しずつ広がっています。
地域資源としての新しい役割
竹を地域の中で循環させる取り組みも増えつつあります。地元で育った竹を伐採し、加工し、地域の中で使っていく。このような流れが生まれることで、運搬コストや資材のロスが抑えられるだけでなく、地域に根ざした暮らしの中に竹が自然と組み込まれていきます。
次世代へつなぐ竹との暮らし
竹林を整え、竹に触れる体験を通じて、子どもたちが自然と関わるきっかけを持つことも、これからの竹の役割のひとつです。単に資源として扱うだけではなく、文化や地域の記憶と結びついた素材として、次の世代へつなげていくことが求められています。人と自然が無理なく関わる形で、竹のある暮らしが少しずつ続いていくとよいのではないでしょうか。まとめ
竹は、古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた素材です。生活の中で使われる機会が減った今でも、炭や酢、建材や塩など、さまざまなかたちで活用できる可能性を持っています。成長が早く、自然の力を活かしやすい点からも、持続的な資源として注目されています。ただ、竹を安定して活かしていくためには、管理や加工に関する課題にも向き合っていく必要があります。一度限りの利用ではなく、伐採から製品づくりまでを地域の中で循環させていく仕組みづくりが大切です。
唐仁原商店では、鹿児島の竹を使い、自社開発の炭化装置「エコ炭くん」で竹炭や竹酢、竹塩などを製造しています。地元の竹林を手入れしながら、その素材を日々の暮らしに役立てる方法を探ってきました。自然の恵みを大切にしながら、竹が今の暮らしの中で生きていく道を、これからも模索していきたいと考えています。
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